毎日新聞やnoteに連載され2016年に単行本となったマチネの終わりに。連載が終わるころには“マチネロス”という言葉も登場するほどで単行本が発売後1週間で重版決定。渡辺淳一文学賞を受賞した「マチネの終わりに」は異例の17万部を突破しました。“結婚した人が人生最愛の人ですか?”という衝撃の帯が付いた「マチネの終わりに」。ここではネタバレと見るべきポイントや見どころなどを紹介します。

ネタバレ1章出会った長い夜

クラシックギタリストの蒔野はこの時38歳だった。

デビュー20周年記念として国内外で数々のコンサートをこなしていた。

洋子と出会ったのは最終公演日だった。

最終公演も終わりほっとしたのか蒔野は楽屋から40分も出てこなかった。

面会希望者は殺到したが、蒔野がなかなか楽屋から出てこないのでほとんどが諦めて帰っていった。

その中でも粘っていた何人かに蒔野は愛想笑いをした。

しかし舞台から実は気になっていた一人の女性がいた。

その女性はレコード会社の担当の是永慶子の隣に連れていた女性だった。

彼女がフランスのRFP通信の記者小峰洋子だった。

おめでとうございます。と彼女は言った。

アンコールのブラームスの曲が一番よかったと褒める彼女。

その曲を褒めたのは彼女だけだった。

「実は舞台からお誘いしてたんですよ」と蒔野は洋子に手を差し伸べた。

しかしそこで是永が洋子はすでにフィアンセがいると告げます。

二人は音楽の話で盛り上がります。

蒔野はすでに自分を理解しているような洋子の眼差しにドキッとした。

さらに洋子の父親があの有名な映画の監督だということを知る。

二人の話は尽きることがなかった。

というかそもそも尽きないほど合う性質のものだった。

さらに話は子供の頃の話をお互いにする。

第1章見どころ

蒔野は洋子にこんなセリフを言います。

“意味深なセリフ”

なんだか意味深なセリフです。

未来は過去も変えている、それは未来から過去を眺めると確かに同じ情報ではないですよね。

過去を思い出すとき、自分に都合よく書き換えられているということでしょうか?

今まさに蒔野が洋子に感じている感情はこの時しかなく、同じように洋子が蒔野に感じている感情はこの時しかないということなのか?

人は変えられるのは未来だけだと思っている。でも実際には未来は過去も変えているんです。変えられるともいえるし変わってしまうともいえる。

“初対面なのに深夜2時半まで話せる二人”

蒔野と洋子はこの時初対面なのに、深夜の2時半まで話してしまいます。

最初だから話せてしまったのか?

それとも相性がそもそもいいのか?

二人しかわからない何かが流れていたのかもしれません。

“蒔野はコンサートの出来に不満があった”

実は蒔野は今回の演奏が不出来だったと感じていました。

でもそれを指摘したのは彼女だけでした。

楽屋から40分も出られなかったのは彼は自分の不出来な演奏で落ち込んでいたのです。

しかし洋子と話すことで一変したのです。

“あえて言わないお互いの気持ち”

蒔野はコンサートの不出来で落ち込んでいました。

しかし彼女との思いもよらない会話で明るく穏やかな気持ちになれます。

でもそれを蒔野は彼女に伝えません。

また蒔野も洋子も朝まで過ごすという選択もあったのではないかとその後考えます。

さらにこの1回目の長い夜の出来事を二人はこの後何回も回想。

お互いに確実に何かを感じていたのに、あえて言わないというもどかしさ。

だからこそ忘れられない相手になったのではないでしょうか?

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ネタバレ2章蒔野の孤独

蒔野はレコード会社の是永と渋谷のカフェで2時間にも及ぶ打ち合わせをしていた。

昨年以来蒔野は新作のレコーディングに携わっていた。

コンサートやラジオ出演などの準備も進んでいた。

しかし蒔野はここのきて「止める」と言い出した。

嫌になったということだった。

気が進まなくなったのだ。

そんな蒔野に寄り添うマネージャーの三谷。

今回蒔野は悪くないという。通行人がいる中大声で言う彼女。

しかしそんな三谷の率直さに惹かれる部分もあった。

翌日レコード会社ジュピターから電話がくる。

電話が切れると物憂げに蒔野は考えた。

母は60代父は70代で死んでいる。

自分もそう長くはないだろうとぼんやりと考える。

静寂が心地いいと感じながらもなぜか蒔野は寂しさを感じていた。

思うような曲が弾けない。スランプに陥っていた。

そんな中ふとテレビに目をやるとバクダッドの自爆事件のニュースが目に飛び込んできた。

その建物は洋子がいるRPFがある建物だった。

自爆テロは1階のロビーで発生、30人以上が被害にあったと記事ある。

メールのやり取りをしていた蒔野はすぐさま洋子に安否のメールを送った。

蒔野はなぜこんな危険なところに自ら身を置いているのか?わからなかった。

そして蒔野はあの日の夜のことを思い出す。

笑った時のいたずらっぽい表情。そして最後帰るときタクシーに乗った時の洋子の横顔。

今までにない孤独がずっしりと蒔野に襲い掛かった。

自分とあまり変わらない40歳という年齢で、死の恐怖と闘っている洋子のことが頭から離れなかった。

第2章見どころ

“二人の思わぬ共通点”

実は蒔野と洋子には共通点がありました。

洋子は父親にヴェニスに死す症候群だと言われたという。

父親の定義だと“中高年になって突然現実社会へ適応に嫌気が差して本来の自分へと立ち返るべく破滅的な行動に出るということ”

蒔野は自分のことのようにこの言葉を感じていました。

自分も音楽に行き詰まっていたがどうしていいかわからないでいたのです。

“洋子の人間性に惹かれる蒔野”

バクダッドの自爆テロのニュースを聞き、蒔野は洋子の安否を気にします。

ほぼ同じ年齢なのにも関わらず、危険だと知りながらも使命感でその場に身を置く洋子。

いつ死ぬかもわからないテロの中で戦っている彼女を思い出します。

だからこそあの時の夜の出来事が何度も反芻してしまう蒔野。

彼女に対する気持ちは“尊敬”なのか?それとも“恋”なのか?

何とも言えない感情を抱くのです。

彼女がもし人の手を必要とするような傷を負ってしまったなら、自分は彼女のために尽くすことができるのではないか?とさえ感じた

つまり彼女が銃弾で半身不随になったとしても、精神的におかしくなっても、自分は彼女のために尽くすことができるといった感情でしょうか。

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ネタバレ3章戦場での洋子

ロビーで取材を終えた洋子が7階のオフィスに戻りかけた時、エントランスからきた3人の男たちに気づく。

エレベーターにはほかに利用者はいなかったが、エレベーターが閉じようとした瞬間、周囲を見渡していた一人と目が合う。

そしてエレベーターが上昇する途中で爆発ととともに停止。

「逃げろ」という声が聞こえた。

逃げ遅れたら死ぬかもしれない。洋子の脳裏に一瞬そんな言葉がよぎる。

洋子はすぐにフィリップに電話した。

自爆テロらしいが後続のテロリストたちが流れ込んでいるということだった。

そしてその後一切の連絡が途絶えてしまう。

彼女はエレベーターの隅に体を寄せ、ひたすら祈った。

彼女はなぜ自分がイラクに来たのか?とさえ思った。

そしてあの蒔野の言葉が脳裏を過ぎる。

「実際に未来は過去も変えているんです。過去はそれくらい敏感で繊細なんです。」

あの夜感じなかった残酷さで彼女の心に響く。

“もう彼に会えないかもしれない”

しかし危機一髪のところで洋子は助かった。

フィリップと今後の予定などを話す。

そして話は父が監督の幸福の硬貨のテーマ曲の話になる。

そこで洋子は蒔野について話し始めた。

実は彼が18歳の時のパリの国際コンクールの時の演奏も聴きにいっていたこと。

彼の曲を聞いて天才だと感じたこと。

彼には才能があるということ。

しかしフィリップはその話をしている洋子に蒔野に惚れているという。

そしておそらく君は別格だとも。

洋子はその言葉を受け入れるが自分にはリチャードがいるというのであった。

バクダッドでは外出禁止令が出た。

洋子はSkypeでリチャードと今後の結婚の予定について話していた。

そんな中カウンセラーからPTSDの兆候について指摘される。

このまま続けていては身も心もボロボロになってしまうというのだ。

あの時一つだけ質問していたら、確実に自爆テロに巻き込まれ自分は死んでいた。

そしてあの名作ヴェニスに死すの物語を思い出す。

主人公アッシェンバッハがもしヴェニスで死ななければどうなっていたのか?

などと考えていた。

洋子は蒔野の20代後半の曲を聴く。

洋子はあの夜のことを思い出していた。

もしあの時朝まで彼と一緒にいたいと伝えていたらどうなっていただろうか?

もし彼に抱かれていたらどうなっていただろうか?と。

洋子は彼からのメールに返信はしていないものの、はっきりと蒔野に会いたいと感じていた。

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ネタバレ4章再会

すでにフランスに帰国している洋子から連絡がまだ来ていなかった。

3月末まで連絡が来なければ彼女への自分の気持ちを整理しようと思っていた。

蒔野は2月までやり取りしていた二人のメールのやり取りを眺めていた。

“洋子は今どうしているのか?もう自分のメールは読んでいないのか?自分の演奏ももう聴いてはいないのではないか?”そんな風に感じていた。

蒔野は洋子について考えるのを諦めようとしたが、すでに洋子を愛し始めていた。

これは1か月半音信不通がもたらした大きな変化だった。

一方で洋子の中で自分がどれほどの存在なのか?知ることもなかったのであきらめようとした矢先だった。

洋子から1通のメールが届いた。

その手紙にはフィアンセのことも結婚のことも書いてなかった。

そしてこの手紙は見せるつもりはなかったこと。

ただやはり読んでもらいたかったので書いたこと。

また今度はパリで会いたい、その時は楽しい話をするからとあった。

そのメールには蒔野はすぐさま返事を書いた。

そうすると洋子から嬉しいとの返事がきた。

そんなやり取りを続けているうちに洋子がもしかすると自分を愛してるのかもしれないと思うようになった。

そして自分が最初に洋子に出会ったあの夜から実は愛し始めていたということに気づいた。

しかし蒔野はパリで会えるという高揚した気持ちの一方でどういう意味があるのか?考えてしまった。

洋子はフィアンセがいた。すでに結婚の日程まで決まっている彼女にたった2回会っただけで自分を愛してくれるのか?

また1回目の逢瀬を確かめるようにただ2回目会うというだけでは「たった2回会っただけの人」にもなる可能性もあった。

そして普通に考えるなら後者の方だった。

蒔野はいても立ってもいられなくなり当初乗り継ぎだけだった予定だったがパリに数日滞在することにした。

そして蒔野は洋子が予約したレストランに向かった。

すでに洋子は先についていて定員と親し気に会話している様子が窓際からわかった。

洋子はずっと見つめる蒔野に対し、「こんな女でもスカート履くのか?と思った?」と言った。

「きれいだなっと思って・・」そういうと自分ももうちょっとちゃんとした格好するべきだったかなと言った。

メールでは他の誰にも話したことのないような内容を伝えあい、親密さを覗かせた二人だったが、実際に会うとぎこちなかった。

そして蒔野は洋子の左手の婚約指輪を見逃さず、密かに落胆していた。

結局あの夜から、あの夜の続きからやり直すしかなかったのだ。

そして話は蒔野のムール貝の話から洋子の出生の話、父親の映画の話、バクダッドでの話まで広がった。

洋子はバクダッドで蒔野のバッハの曲に救われたという。

そして自分がなぜバクダッドに行くのかについても話す。

時に銃弾の形をして自分の運命を貫通することもある。と。

その話を聞き蒔野は「地球のどこかで洋子さんが死んだって聞いたら俺も死ぬよ」と言った。

馬鹿な考えはやめてと洋子は言うが、一度口にしたことは必ず守るという蒔野。

「洋子さんの人生が俺の人生を貫通してしまったんだ」彼はそういうとシャツを強くつかんだ。

蒔野は続ける。

洋子さんを愛してしまったのだからもう引き返せないと、洋子さんを愛さないということは非現実でありどこにも存在しないと。

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ネタバレ5章洋子の決断

蒔野は舞台に上がる前からひどく緊張していた。

演奏は必ずしも悪い出来ではなかったが、蒔野の心は浮かなかった。

実際に大きく記事に取り上げられることもなく、パッとしなかったのだ。

蒔野はギターの練習中でも集中力を欠いてくると洋子を思い出していた。

洋子からは全く連絡は来なかった。

あれからフィアンセとはどうなったのか?

そして洋子が来ると思われていたコンサートに洋子は現れなかった。

前日確認したメールでは来るという内容だった。

でも彼女が座るはずの席にはいなかった。

彼は何も聞こえなくなり、弾くのをやめてしまった。

会場はざわめき始めていた。そんな聴衆に彼は一礼をし、すぐさま舞台から降りた。

そして蒔野の携帯には1通のメッセージが残されていた。

「ほんとうにごめんなさい」理由などを含め話したいから自宅に来てくれないか?という内容だった。

蒔野の脳裏にはその自宅には婚約者がいるのではないか?と咄嗟に思った。

“会えば忘れられなくなるに決まっている”蒔野は婚約者には会いたくはなかった。

そして自分もいつかは洋子ではなく他の誰かを本気で愛し家庭を持つことがあるのだろうか?と思いを巡らす。

でも今は少なくとも考えたくない未来だった。

ドアをノックすると出てきたのは洋子とある人物だった。

それは思いもよらない相手だった。

バクダッドでアシスタントをしていたジャリーラだった。

フランスで頼るものがいなく、洋子に頼ったというのだ。

3人は楽しいひと時を過ごし、蒔野は要望に応えギターを弾く。

しかし演奏が終わるとジャリーラは泣いていた。

洋子はジャリーラをベッドルームに運び寄り添う。

そしてリビングに戻る洋子は蒔野に婚約者に好きな人ができたから解消させてほしいと伝えたという。

蒔野はまっすぐ洋子を見つめた。

洋子はまるで蒔野が求めるならば受け入れるといったような気色で立っていた。

二人はお互いにどちらかともなく吸い寄せられいつ終わるかわからない口づけをした。

ジャリーラの存在はお互いにわかっていた。

だからこそ、お互いの存在を強く確かめるように背中に回した手に力が入る。

しばらく無言でお互いの存在を確かめる。ソファーにもたれながら。

しかしその時ジャリーラがアラビア語で何か叫んだ。

二人のつかの間の甘いひと時は終わる。

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ネタバレ6章洋子の決断

帰国後もあの甘い夜の出来事を忘れられない蒔野。

特にコンクールの優勝でもなくコンサートの成功でもなくただ談笑しながら何気ない会話をしていただけの時間。

けれども蒔野にとってはまたとない人生の輝きの時間だった。

もうあの時間を過ごすことはできないのか?そう考えると胸が締め付けられる思いだった。

ジャリーラのおかげだったのかもしれない。

彼女がいたおかげでバクダッドという危険な場所で闘ってきた洋子を感じることができた。

月曜日、彼女は慌ただしく仕事の準備をし、ジャリーラを残して蒔野と一緒に出掛けた。

エレベーターが閉まると二人は言葉もなく抱き合い、1階につくまでのわずかな時間を惜しんだ。

その日の夜も二人はジャリーラと食事をした。

二人はジャリーラの目を盗んで二人きりになろうと思ったがすぐにあきらめた。

その代わりに熱い視線をお互いに送り合い、まるでそれは抱擁の代わりのようなまなざしだった。

二人はメールだけでなくSkypeでもやり取りをした。

この同じ世界に洋子がいる、どこかでバッタリ会えるかもしれない。

そんな希望に満ちた期待が蒔野を幸福にした。

二人の会話は尽きることなかった。

自分の両親の話、自分の話、映画の話。

そして洋子が少なからず払った代償(婚約者との婚約解消、その関係の整理、結婚式のキャンセル)などは思ったよりも大きく、自分の音楽の停滞さに耐えられなくなっていった。

つまり蒔野は音楽に行き詰まりを感じていた。

このままでは洋子との関係もうまくいかなくなるではないかとさえ感じていた。

しかし一方でリチャードとの婚約解消は長引いていた。

リチャードは洋子の心の揺らぎに気づき始めていたのである。

そして洋子は蒔野と今後の結婚の話も含め今後の話をしたが、彼から正式なプロポーズはなかった。

しかし一度蒔野からのSkypeでプロポーズを仄めかされたことがあった。

でも会って直接言ってほしかった洋子は会ったときに言ってほしいと伝える。

しかし7月に会う予定が8月になってしまい、たった1カ月の延期が洋子を不安にさせた。

そして二人はたった3度しか会ったことがなく、肉体的なものもキスの周辺を行ったり来たりしていただけだった。

洋子は確実な何か強い何かを蒔野との間に欲しかった。

それはプラトニックななにかではなくもう後戻りできないほどの溺れるなにかであった。

そして洋子は以前から発症していたPTSDのかかりつけ医師にカウンセリングに行く。

重度ではないということだったが精神のバランスを崩していたことは明らかだった。

「過去は変えられるんですよね?」と医師に洋子は言う。

「私の一番好きな人が教えてくれた言葉なんです。」

蒔野は洋子との会う計画を最初の2日間を東京で過ごし、その後は一緒に彼女の実家である長崎にと決めた。

洋子は8月29日午後16時半に成田に到着予定だった。

迎えに行くつもりだったが、3時間も飛行機が遅れているという。

結局新宿まで迎えに行くと彼女に伝えた。

新宿には9時に着く予定だとわかる。

しかし午後6時ころ蒔野の携帯に電話が鳴る。

祖父が救急車に運ばれたという連絡だった。

洋子にも電話しなければと感じたが状況が分かってからの方が混乱しないだろうと思いその場では連絡はしなかった。

赤羽橋までタクシーで急いだ。

大粒の雨が降り、フロントガラスが曇り始めた。

洋子に電話しようと携帯を探すが見つからない。タクシーに置き忘れたのだろうか?

急いで公衆電話を探しタクシー会社に電話しようとする蒔野。

しかしその時マネージャー三谷の顔が浮かび彼女に電話をする。

彼女は一声でタクシー会社に取りに行ってくれると言った。

そして蒔野の携帯は小金井のタクシー会社にあることがわかった。

彼女は電車に乗りながら自分がなぜ二人の恋愛の成就の手助けをしているのかと思った。

電車の中で震える携帯。洋子からメッセージが届いていた。

内容を見ると洋子も今新宿に着き、待っているという内容だった。

そして三谷は新宿の南口にいた。そこには雨空を気にする洋子の姿があった。

決して派手ではないが、何か特別な存在感を醸し出す彼女

三谷は洋子が蒔野と会うことで、愛されることで美しくなり、さらにこれから会うことで一層綺麗になる洋子に激しい嫉妬を覚えた。

恋敵が自分より一回り近くも年上だということ。

でもなぜかお似合いの二人だと感じた。

ホームのベンチに座った三谷は洋子からのメールを何度も読み返した。

洋子は蒔野からどんな言葉をかけられれば諦めるんだろうと思った。

そして三谷は何かに取りつかれたように一心不乱にメールの文章を作った。

連絡遅くなってごめんなさい。

ぎりぎりまで悩んでいたのですがやはり僕はあなたに会うことはできません。

もう何か月も考えてきたことですが僕の音楽家としての問題です。

あなたは何も悪くない。でも僕はあなたと出会ってから音楽を見失ってしまいました。

状況的に改善しようとしてきましたが表面的にはごまかし誠実ではないです。

あなたのことがずっと好きでしたがこの先そうである自信が持てません。

だったら後戻りできるうちにケジメをつけるべきだと思いました。

会ってしまうとまた僕はあなたを騙してしまうでしょう。

ただの友人としてまた再会できたらと思います。ただ今は気持ちを整理する時間が必要です。

あなたに会えたこと感謝しています。ありがとう。さようなら。

蒔野

蒔野に言って欲しかった言葉であり、三谷の願望でもあった言葉だった。

送受信履歴を読む三谷。そこには蒔野と洋子のやり取りから仕事のやり取りまでいろいろなメールの履歴があった。

送信してしまったら、洋子は蒔野を去るだろう。

この送信ボタンを押せば世界が変わってしまうだろう。

車内を見渡すとそこにはお酒に酔ったサラリーマンの姿があった。

誰もが一つくらい罪や秘密があるはず。自分はこれまで真面目な人生を送ってきた。

そう自分を納得させ、送信ボタンを押してしまった。

一瞬自分の指に針が差すような痛みのようなものだと三谷は悟った。

しかし送信完了のボタンを見て我に返った。

どうせ不審に思われてしまうのちがいない。

彼女は血の気を失った。

蒔野のもとに携帯が届いたのは夜9時半だった。

三谷はひどく疲れた様子で立ち尽くしていた。

「すみませんでした。」

蒔野はすぐに洋子の連絡先を聞き、メールの文章を作った。

そして三谷に送ってくれるよう頼んだ。

以下のメールだった。

体が空き次第連絡する。もし遅い時間まで起きているなら直行する

しかし三谷は蒔野に見えないところで送信するふりをしながらメールを削除した。

一方西新宿のホテルについた洋子は蒔野のメールを思い出していた。

「あなたのこと好きでしたがこの先そうである自信が持てません。」

彼の突然の心変わりのメールに戸惑う洋子。

そしてPTSDの症状もあまりよくなかった。

そして疲れ果てていた時、深夜2時半にメールの着信音が鳴る

やっと帰宅しました。

夜送ったメール読んでくれた?

せっかくきてくれたのにこんなことになり本当に申し訳ない。

でも洋子さんならわかってくれるはずと信じているんだけど。ひどい雨だし連絡も遅くなり心配してます。

状況的には前のメールで説明した通りです。厳しいけれど、どうにか危機は脱したし現実として受け入れていくしかないです。

今後の相談はその時に。僕ももう休みます。

蒔野

その後洋子からメールが届くが、一人で長崎に行くという内容だった。

慌てて蒔野は自分も長崎に行くことを伝える。

しかし洋子はこんな状況では一緒には行けないという。

今どこにいる?という蒔野の問いに洋子はすでに長崎にいると伝えた。

長崎に向かう機内の中でこれでよかったんだと思う洋子。

母が長崎空港で待っていた。

新しい恋人がいないことに気づく母、「あなたの人生も私に劣らずいろいろあるわね」と伝えた。

体調が思わしくない洋子は蒔野に会えないという中で会いたくない、こんな姿を見せられないという気持ちに変わった。

しかし一方で体調が落ち着いたら蒔野に会いたいという気持ちも大きくなっていた。

蒔野は洋子と連絡が取れなくなりそれが何を意味しているか感じていた。

そして2週間経過したある日の午後洋子から短いメールが届いた。

婚約者と結婚したという内容だった。

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第6章見どころ

“三谷という女性の気持ち”

この小説を読んで誰もが三谷という女性がいなければと感じますよね。

三谷がメールさえしなければ蒔野は洋子と約束通り出会い、その後の二人の運命も変わっていたに違いありません。

たった1通のメールが蒔野と洋子の二人の関係を未来を変えてしまったのですから。

しかしもし自分の好きな人が他の誰かを好きになり、そしてその彼がまさに彼女と会うとわかったとき、彼の携帯を持っていたら咄嗟に二人の間を壊すようなメールを送ってしまう三谷の気持ちもわからなくはありません。

三谷はおそらくメールを送り二人を引き裂こうとは本気で思っていなかったのではないかと思います。

ただ、駅の改札で待っている洋子を実際に目にし、彼女があと数時間後に蒔野と出会い、彼女が嬉しそうに、そして蒔野が楽し気にする情景が浮かんでしまい、思わず送ってしまったんだろうなと思います。

好きな人が誰かと楽し気に幸せそうにする姿を見たい人なんていません。

三谷は駅で待つ洋子を見てしまったことでより現実的に蒔野との二人のシーンを想像してしまったのです。

“ここで何かをしなければ二人は会ってしまう”と何かに突き動かされ、咄嗟に送ってしまったのでしょう。

嬉しそうな表情の洋子を遠くで見た三谷ははっきりと蒔野と二人のシーンを想像してしまったことにより、自分のどうしようもない嫉妬に気づいたのです。

“メールを信じてしまう洋子の切ない気持ち”

蒔野からきたメールを受け取った洋子はその言葉を信じてしまいます。

つい最近まで会おうという話になっていたにも関わらず急な気持ちの変化におかしいと思ったはずです。

しかしメールだけを信じ電話で確認はしません。

なぜなのか?洋子がもしもっと若かったら電話をして確認していたのか?

でも彼女は自分の年齢とそして婚約者がいるということで積極的にはなれなかったのではと思います。

蒔野の“あなたのことを好きでしたがこの先自信がない”という言葉に洋子は40歳を超えた自分と蒔野の年齢差を感じてしまったのでしょう。

強気には出れなかった洋子の気持ちがわかるシーンでした。

ネタバレ7章 愛という曲芸

あれから2年という歳月が流れた。

蒔野は新たに審査員を務めることになった。

そしてギタリストの武知文昭に出会う。

最近どうしてた?と聞く武知。

「実は1年半もギターを触ってないんだ」と蒔野は言った。

そして二人は久しぶりということでビールで近況を話す。

三谷が奥さんになったこと。そして二人はお似合いだと言われたこと。

そしてそんな話の中、蒔野は洋子を思い出していた。

あの時もっと引き留めるやり方があったのではないだろうか?と。

でももう洋子のことは考えないようにしていた。

自分は三谷早苗と結婚したのだ。

洋子に愛されなかったという事実ではなく、早苗に愛されたという事実だ。

一方洋子は夫の友人のパーティーに呼ばれていた。

ひとりで浮いていたところヘレンという女性が彼女に近づく。

男はなぜ自慢話ばかりするのか?と声をかけた。

そして洋子もまた蒔野を思い出していた。

もう2年も経っているのに思い出してしまうのだ。

そしてあの2年前の東京で蒔野に別れを告げられた時のことを思い出した。

あの時思いがけずリチャードとその姉に出迎えを受けた。

リチャードはまるで放浪息子を出迎えるように洋子を出迎えたのだ。

リチャードの抱擁の中で洋子はあんなにもひどい仕打ちをしたにもかかわらず受け入れてくれるリチャードの手を離してはならないと感じた。

彼が言うマリッジブルーの混乱にいたのだと。

そして洋子のPTSDが一番ひどいときもあの西新宿のホテルでのことだった。

携帯の電源を切りすべてを遮断していた洋子。

でもあの時の精神状態は最悪でそうするしかほかになかった。

蒔野のことは特別で忘れられなかったが子供が生まれることで次第に記憶は薄れていった。

そしてリチャードの浮気相手はヘレンだということがわかる。

そしてリチャードはヘレンが浮気相手だと洋子に告げると離婚を申し出た。

一方蒔野は武知と一緒に新しいデュオコンサートを計画した。

1年半というブランクは蒔野にとって重くのしかかる長さだった。

しかし蒔野は毎日10時間3か月特訓を始めた。

再出発を消えたのだ。不思議と悲観的なものはなかった。

そして早苗に子供ができたことがわかる。

人生がまた一歩進んだことを意味すると同時に洋子を今度こそ忘れなくてはいけないと感じた。

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ネタバレ8章 真相が明かされる

洋子とリチャードの離婚は裁判所を通じて行われた。

洋子はリチャードの別れたという意思を尊重し3年にも満たない結婚生活に幕を閉じようとした。

そしてリチャードはヘレンと再婚すると告げた。

時折洋子は考えた。

あの時、もしリチャードが空港に迎えに行っていなければ。

そして自分自信がもしあんなに疲弊していなかったら。

もう一度蒔野に出会っていたのではないだろうかと。

リチャードとの離婚が成立し一人暮らしを始めていた時、フィリップから久しぶりに連絡をもらった。

それはジャリーラの両親が殺害されたということだった。

そしてジャリーラにプレゼントを贈ろうとAmazonのページを開くと購入履歴には蒔野のCDがあった。

2007年以来彼がCDを1枚も出していないことを知ったのはこの時だった。

ネットで調べてみるとそこにはすこし太った蒔野の写真があった。

そして新しいCDの表記には洋子は息をのんだ。

そこにはこう書いてあった。

このアルバムはジャリーラと心優しい友人に捧げます。

長崎で夏季休暇を取った洋子。

そして蒔野のコンサートを知る。

行くべきか行かざるべきか悩む洋子だが、友人として旧友として行く分には構わないのではと思った。

チケットを購入しようと窓口に並ぶ洋子に黄色い声が聞こえる。

そこには早苗が立っていた。

どうしても話したいことがるという早苗。二人はスターバックスに行く。

「話ってなにかしら?」洋子は早苗に聞いた。

すると早苗は自分の高校がミッションスクールに通っていたことを話す。

聖書の話からマリアの話になった。

そしてやっと本題に入る早苗。

「今日のコンサート洋子さんには来てほしくないんです。」

洋子が来たら蒔野は演奏に集中できなくなると早苗は言う。

そして早苗はどんなに彼とここまで(結婚)くるのが大変だったのか?洋子に伝えた。

1年半もギターを触れなかったこと。いつまた同じように戻ってしまうかわからないこと。

洋子さんはマリア様だけど、蒔野に必要なのはマリアではなく彼の人生を面倒見れるマルタだということ。

また洋子さんとの出会いから蒔野は自分を見失ってしまったこと。

どこかで聞いたことことのある文章だと洋子は気づいた。

それはあの新宿でもらった蒔野の別れを告げるメールと同じセリフだった。

あれは早苗だったということに気づいた。

そして早苗は続ける。

「洋子さんを騙してしまったのは悪かった。でもあのままだったら蒔野はギターを弾けないままだったと思う。洋子さんには素晴らしい人生がある。でも私は蒔野を奪われたら何も残らないんです。どんな方法でも彼のそばにいたいと思いました。それが人として間違っているとしても。私の人生の目的は夫なんです。だからもうコンサートには来ないでください。お願いします。」

洋子はただ早苗の言葉を聞くしかなかった。

自分はここまで蒔野を愛することができるだろうか。

「それであなたは幸せなの?」と洋子は聞く。

「はい、すごく幸せです。」と明るい笑顔で言う。

洋子はさっき買ったばかりのチケットを早苗に差し出した。

早苗はお金を払おうと財布を出すが、洋子は「あなたの幸せを大事にしなさい」といいその場を去った。

洋子は一人部屋に戻りベッドに横たわり号泣した。

蒔野と武知のツアーは郡山で締め好評のうちに終わった。

熱海のホテルに移動し疲れを取る二人。

マッサージにお互い座り談笑する。

「あの幸福の硬貨の娘さんとは最近会ってないの?」

「ああ、会ってないよ。」

「結婚してニューヨークにいるみたいだね。ケンという男の子がいるらしい。」

「そうなんだ。」

その後武知は蒔野に実はずっと嫉妬していたということを話す。

それは蒔野の才能に。そして世間から愛される蒔野の才能に。

しかしその1か月後に武知の訃報のはがきが届く。

事故とあったが、事故ではないのでは?と蒔野は感じていた。

一方早苗の出産が近づいていた。性別は女の子だった。

そして入園式を迎え、早苗はその手続きをする。

しかし名簿には自分のつけたはずの子供の名前がない。

おかしですね。あなたがつけた名前間違っているんじゃないですか?

受付の担当者は怪訝な様子で尋ねた。

まさか。早苗は急に不安になった。

蒔野と洋子の幸せを壊した私。そして蒔野の子供を授かった私。

洋子の顔が突然浮かんだ。

44歳と自分より2つも上なのに、あのチケット売り場にいた洋子はあの新宿で見かけた時の風貌と変わらず美しかった。

あのスターバックスの洋子との会話はとにかく必死だった。

ここで負けるわけにはいかなかった。

そして洋子と別れてから3年という月日がたっていた。

早苗は紅潮し蒔野に話があるという。

内容はあの新宿の時のメールの話だった。

実は自分が洋子さんにメールしたこと。

蒔野はなぜ隠し通してくれなかったのか。と早苗にいう。

そして10月10日2800グラムの女の子が生まれた

ネタバレ9章 マチネの終わりに二人再び

早苗の衝撃な告白後、蒔野は妻のいくつもの矛盾した感情に苦しんでいた。

しかし可愛い我が子の姿を見ると、こんな可愛い子供を産んでくれた妻へ感謝の気持ちもあった。

自分は消して洋子の代わりに早苗と結婚したわけではなかった。

彼女を確かに一人の女性として愛していたからこそここまで結婚生活を共にできた。

2011年3月11日東日本大震災からさらにその家族への思いは強くなった。

蒔野は2012年夏にはキューバとブラジルでの演奏が決まっていたが、その前にニューヨークでのマーキンコンサートが決まっていた。

バッハのCDからの影響だったが、このバッハのレコーディングのためにロンドンに滞在していた時一度洋子を見たことがある。

それはホテルの部屋で何気につけたテレビの報道番組だった。

そこには変わらない彼女の顔があった。

髪を後ろで束ね、スーツ姿の彼女は理知的だった。

最初に会った時から4年も経過し、彼女も幾分歳を重ねていたが、彼女の凛とした佇まいは変わらなかった。

一度は封印した想いが蒔野の中であふれ出した。

彼女を見てしまったからにはもう一度彼女に会いたいと強く感じた。

蒔野のリサイタルは2012年5月に決まった。

ニューヨークは洋子が住んでいた街だということがわかっていた。

もしもう一度連絡をすれば会いにきてくれるだろうか?

しかし自分には早苗と子供がいる。

子供の誕生を無条件に受け入れるのが親だとわかりながらも洋子への未練が断ち切れない自分に腹を立てた。

そしてコンサート当日。

コンサート会場に洋子がいると気づいたのは第1部の最後の曲の時だった。

暗がりの中、彼女が一番奥の席に座っていた。

最後アンコールでは幸福の硬貨を弾いた。

予期せぬ喝采に一礼する蒔野、そして彼女の存在に気づき、しばらくその場に立ち尽くしてしまった。

洋子は号泣した。

終演後、一人セントラルパークを午後の日差しを浴びながら歩く蒔野。

一人の女性がこちらに顔を向けているのがわかった。

その彼女は洋子だった。

今にも崩れそうな表情を彼女は必死にこらえていた。

蒔野はすでに彼女の方を歩いていた。

彼女もようやく微笑み、あの時の笑顔のままだった。

あれから5年という歳月が経過していた。

マチネの終わりに主題歌独断で選んでみた!

マチネの終わりにの主題歌はまだ公開されていません。

ですがこの曲の歌詞や雰囲気がこのマチネの終わりにの雰囲気にピッタリだなと感じました。

洋子を想いながら、結果、別の女性を選んで結婚した蒔野の気持ちが、まさにピッタリだと感じたので独断で選んでみました。

Well you only need the light when it’s burning low
Only miss the sun when it starts to snow
Only know you love her when you let her go

薄暗くなって初めて
明かりを必要とするように
雪が降り始めてやっと
晴れの日が恋しくなったり
失って初めて
彼女を愛してると気付いたり

Only know you’ve been high when you’re feeling low
Only hate the road when you’re missin’ home
Only know you love her when you let her go
And you let her go

落ち込んで初めて
浮かれてた自分に気付く
家に帰りたいとき限って
旅路を長く退屈に感じる
失って初めて
彼女を愛してると気付く
失って初めて

Staring at the bottom of your glass
Hoping one day you’ll make a dream last
But dreams come slow and they go so fast

グラスの底を見つめながら
いつか長続きする夢を見たいと考える
けれど夢というものは
のろのろ近付いてくるくせに
去るとなれば駆け足

You see her when you close your eyes
Maybe one day you’ll understand why
Everything you touch surely dies

目を閉じると 彼女が見える
きっといつか 悟るときが来る
その手で触れるものが必ず息絶えてしまう理由
けれど人は

But you only need the light when it’s burning low
Only miss the sun when it starts to snow
Only know you love her when you let her go

薄暗くなって初めて
明かりを必要とするように
雪が降り始めてやっと
晴れの日が恋しくなったり
失って初めて
彼女を愛してると気付いたり

Only know you’ve been high when you’re feeling low
Only hate the road when you’re missin’ home
Only know you love her when you let her go

落ち込んで初めて
浮かれてた自分に気付く
家に帰りたいとき限って
旅路を長く退屈に感じる
失って初めて
彼女を愛してると気付く
失って初めて

Staring at the ceiling in the dark
Same old empty feeling in your heart
‘Cause love comes slow and it goes so fast

暗闇の中 天井を見つめる
お馴染みの虚しさが胸に込み上げる
愛というものは
のろのろ近付いてくるくせに
去るとなれば駆け足

Well you see her when you fall asleep
But never to touch and never to keep
‘Cause you loved her too much
And you dived too deep

眠りに落ちて 彼女の姿を見つける
けれど触れることも
留めおくこともできない
あまりに強く 愛しすぎたせい
あまりに深く 恋に落ちたせい

Well you only need the light when it’s burning low
Only miss the sun when it starts to snow
Only know you love her when you let her go

薄暗くなって初めて
明かりを必要とするように
雪が降り始めてやっと
晴れの日が恋しくなったり
失って初めて
彼女を愛してると気付いたり

Only know you’ve been high when you’re feeling low
Only hate the road when you’re missin’ home
Only know you love her when you let her go

落ち込んで初めて
浮かれてた自分に気付く
家に帰りたいとき限って
旅路を長く退屈に感じる
失って初めて
彼女を愛してると気付く
失って初めて

Will you let her go?

本当に失ってしまっていいの?

Well you only need the light when it’s burning low
Only miss the sun when it starts to snow
Only know you love her when you let her go

薄暗くなって初めて
明かりを必要とするように
雪が降り始めてやっと
晴れの日が恋しくなったり
失って初めて
彼女を愛してると気付いたり

Only know you’ve been high when you’re feeling low
Only hate the road when you’re missin’ home
Only know you love her when you let her go

落ち込んで初めて
浮かれてた自分に気付く
家に帰りたいとき限って
旅路を長く退屈に感じる
失って初めて
彼女を愛してると気付く
失って初めて

And you let her go

そして彼女を失ってしまう

マチネの終わりにネタバレ!見どころは?

「マチネの終わりに」の最初はこんな言葉から始まっている。

“それぞれにモデルがいた”

38歳のクラシックギタリスト蒔野とフランスRFPに通信に所属している小峰洋子が主役のこの恋愛小説だが、二人にはモデルがそれぞれいるという。

“ここにあるのは蒔野 聡史と小峰 洋子という二人の物語。彼らにはそれぞれモデルがいるが差し障りがあるので名前をはじめとして組織や出来事の日付などの設定は変えてある”

“ダンテの神曲のベアトリーチェが洋子?”

さらにこんな言葉が次にある。

彼らは出会った当時「人生の道半ばにして正道を踏み外し」つつあった。つまり40歳という独特で不安で繊細な年齢にあった。

クラシックギタリスト蒔野は38歳、小峰洋子は40歳

➡マチネの終わりにモデルはあのジャーナリスト?

どちらも人生の折り返し地点に来てしまっている。

つまりもう多くは望めないそんな年齢ということだろうか。

「人生の道半ばにして正道を踏み外し」という言葉がひっかかるが、これはイタリアの詩人ダンテの「神曲」の序章の言葉。

「神曲」は地獄篇、煉獄篇、天国篇と3つに分かれますが、この言葉はダンテが地獄篇に入るときの序章の言葉

筆者はこういった神話には詳しくはないのですが、このダンテの「神曲」の内容がなんだか意味深なのです。

「神曲」ではダンテは地獄篇でベアトリーチェと出会う。

この時9歳のダンテはベアトリーチェに魂を奪われてしまう。

しかしこの時一度会っただけでその後別々になってしまう。

そして9年の年月を経て18歳になったダンテとベアトリーチェはある橋で出会う


https://blog.goo.ne.jp/harunakamura/e/6ee2c65e

ベアトリーチェは白の衣装を着ている真ん中の女性。

ダンテは左側にいる男性。

この時ダンテはベアトリーチェを見て熱病に冒されたようにベアトリーチェに恋い焦がれてしまう。

でもこの時二人は言葉を交わしません。

すれ違っただけの再会だったのです。

その後ダンテは他の女性と結婚してしまう。

しかしベアトリーチェも銀行員と結婚し、24歳という若さで死んでしまうのです。

この悲報を知ったダンテはベアトリーチェが忘れられず、生涯かけて詩の中に永遠の存在として彼女のことを「新生」にまとめるのです。

その後ダンテは「新生」だけでなく、ベアトリーチェが逝去して10年経過した1307年からダンテを助けるベアトリーチェを永遠の淑女として「神曲」を描いたといいます。

さらにこの中では聖なる3という数字が何度も現れているという。

そういえば、蒔野と小峰洋子だが実際には3度しか会っていない

たった3度しか会っていないのに惹かれてしまう。

だとすればダンテとベアトリーチェに例えているのだろうか?

さらに小説にはこのように書いてある。

彼らもまた「神曲」の詩句にある通り、どうしてかはうまく言えないまま、その「暗い森の中へ」と迷い込んだ

やはりダンテの詩句からとったようですね。

今まで一生懸命自分の人生を生きてきた男女が出会ったが、それはすでに人生の半ばに差し掛かったころであり、お互いにどのようにすればいいのか?わからないまま、ただ静かに惹かれていったということだろうか。

“お互いを必要とする強い感情”

この小説を読み終わった時、何とも言えない気持ちになりました。

小説にはこんな風に二人について描いてあります。

蒔野と小峰洋子だが二人が互いに抱いていた感情はどんなものだったのか?例えば友情だったのか?愛だったのか?二人は苦しみとも癒しともいえない、時には憎しみのようでさえあった強い信頼を保ち続けたが・・・

さらにこんな風に伝えている。

彼らの生の軌跡には華やかさと寂寥とが交互に立ち現れる歓喜と非哀とが綱引きしている。だからこそその魂には今どき珍しいような・・・

つまり蒔野も小峰もそれぞれの人生を生きてきたが輝かしい瞬間もあれば寂しさと常に戦ってきたのだ。

お互いに恋愛することもないだろうと諦めていたその時に出会ってしまった二人。

人生まさに半ばにして、諦めていたまさにその時出会った二人、だからこそ相手にも多くを要求できない二人。

しかし、寂しさを自分で補う術も知っている、一人で戦ってきたからこそ溢れる言葉もあり、蒔野も洋子も言葉には言い表せないお互いの魅力に惹かれたのだろう。

人を好きになるとどうしても相手を独占したくなるのが恋。

でも洋子も蒔野もただひたすらに相手を想う

だからこそすれ違ってしまう二人だった。

自分の欲望よりも相手の幸せを願う二人。

しかしそこには自分の欲望を優先する早苗が登場する。

早苗はどうしても蒔野を独占したいのだ。

でも物理的に蒔野を独占しても、彼の心の中までは独占できなかった。

蒔野の心の中には永遠に洋子の存在が消せない。

そして洋子の心の中にも・・・・・

結果的に結ばれなかった蒔野と洋子だが、生涯忘れられない相手とはこういうことなのだろうか。

まさに大人の恋愛を見せつけられた内容だった。

しかし最後二人は再会するが、原作はここで終わっている。

二人がその後どのようになったのか?

映画マチネの終わりにでは結末はどのようになるのか?

気になるその後である。

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